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対談シリーズ

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次の世代に渡すもの

次の世代に渡すもの

元 ロート製薬株式会社 代表取締役専務 マーケティング本部長 / 現 株式会社アンズコーポレーション 取締役相談役

山田 安廣

「子どもたちの幸せのために何をしたらいいか」を探していた

岩朝 共通の知人から「会社を勇退して、個人的に子どもたちの役に立ちたいという方がいるので会ってほしい」と言われてお会いしたのが初めてでしたね。

山田 「子どもたちの幸せのために残りの人生で何ができるだろう」と探していて、出会ったのが岩朝さんでした。子どもたちが健全でなければ次の世代の日本が繁栄するはずがありません。岩朝さんのYou Tubeを拝見して、子どもたちに対する目線のあたたかさを強く感じます。一言一言の言葉、一つ一つの仕草等に、子どもたちをなんとかしてやりたいというお気持ちがひしひしと伝わってきました。

岩朝 ありがとうございます。山田さんが「何をすることが子どもたちにとっての幸せなんですか?」と質問してくださって、子どもたちの現状やいくつもの課題をお話させていただきました。後日「一緒に実現していきましょう」とプロジェクトの提案書を持ってきてくださって感動しました。

山田 ロート製薬時代も同じようにしてきました。消費者の本当のニーズを見つけ出して提供することが企業の役割です。商品を通じて世の中のお役に立つということですね。岩朝さんのお話を聞いて、この部分は自分が担える得意分野かなと思いました。私はビジネスしかしてこなかったですが、その経験がお役に立てたらこんなにうれしいことはありません。

岩朝 一緒に、というのがとても心強く、嬉しいお言葉です。

「世の中のお役に立つ」受け継がれていく考え方

岩朝 山田さんの「世の中のお役に立つ」という考えの源、ルーツはどこからなのでしょうか?

山田 そうですね。祖父の代からでしょうか。祖父は「仕事で得た利益は社会に還元するもの」と盲学校を建設しました。父は、ノーベル賞のような、すぐに結果は出ないけれど長期的に社会の役に立つような研究に対して支援する財団を設立しました。世の中を単にビジネスの対象として見るのではなく、何かの形でお役に立っていこうというのは祖父の代からの志の継承ですね。」

岩朝 志が受け継がれていったのですね。私たち里親家庭に来る子どもたちは、今まで暴力や育児放棄などの環境で育ってきた子どもがほとんどです。里親家庭に来て初めて大切にされるという体験をします。里親から子どもたちに、あたたかさが受け継がれていきます。子どもは里親をモデルとして親になっていくんです。だからこそ、里親は次世代の虐待防止と貧困問題の解決に向けて一番有効だと感じています。

山田 あたたかさを経験してこなかった人にあたたかさを経験してもらうことはとても大切ですよね。

「対策から予防へ」環境を変える

岩朝 だれも虐待を望んでいないのに虐待は増えています。里親家庭に来る子どもはすでに傷ついた子どもたちです。里親サロンでも「本当は里親のところにこないようにしなければならないよね。」と話しています。私たちのもとに来た子どもはせめて次の世代に虐待をもちこさないように、虐待は予防できると思っています。

山田 いじめの問題もそうですよね。生まれた時からいじめっ子なはずがない。「悪いいじめっ子からかわいそうないじめられっ子をどう保護していくか」というのがいじめ問題の改善策とされていますが、なんらかの環境の影響を受けていじめっ子になってしまうとすれば、環境を正す。社会として環境を是正していけばいじめっ子の数が減り、いじめられっ子の数も減ります。どうすればいじめっ子を減らすことができるかを考えていかないといけない。

岩朝 いじめも虐待も、予防が大切ですね。

山田 何にでもいえることですが、事後対応ではなく、事前対応。予防にエネルギーを注ぐ。医療費を削減するなら医療需要そのものを減らさないといけない。病気の予防と早期発見、早期対処、それでないと本当の医療削減にはならないですよね。

岩朝 本当にそのとおりだと思います。道のりは長いですが・・・。

山田 既得権などの影響もありますね。ロート製薬は日本で初めての一般用妊娠検査薬を販売したのですが、その道のりも平坦ではありませんでした。今では一般的になった妊娠検査薬は、1980年代頃の日本は、一般用として認可されていない状況だったのです。妊娠が自宅で簡単に調べられない時代、妊娠に気づかないまま、体に負荷をかけてしまい、流産することも少なくありませんでした。「自分で妊娠診断ができたら女性の体に負担がかからず、医療費削減にもつながる!」と、日本での販売に奔走しましたが、様々なところから反対がありました。あきらめず粘り強く交渉を続けた結果、1992年、日本で初めての一般用妊娠検査薬の販売を開始しました。最初にアメリカに行ってから市場に出るまで8年かかりました。

岩朝 8年も!心が折れそうな時もあったのではないでしょうか。

山田 でもこれは「絶対に社会の役に立つこと」という確信がありましたからね。岩朝さんもきっと同じですよね。

岩朝 そうですね。里親制度を広めること、里親さんの支援は、社会にとって、子どもたちの幸せにとって最善のことだと確信しています。

山田 里親さん、子どもと関わるみなさんのこと、心から尊敬しています。これからも「子どもたちの幸せのために」共に取り組んでいきましょう。

岩朝 ありがとうございます。心強いです。里親オンラインサロンで里親のみなさんにも伝えます。

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