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こどもの貧困

貧困で親と暮らせなくなる子どもたち

虐待の次に多い、施設の入所理由「貧困」

厚生労働省の調査によれば、日本の子どもの貧困率(2018年)は13.5%。さらにひとり親家庭の貧困率は48.1%と、先進国の中でも最悪な水準だと言われています。

2020年に施設に入所した子どもたちの9.2%が、親の就労・経済的理由、つまり貧困により施設に入らざるを得なかったのです。最も多かった入所理由は親の虐待(45.2%)ですが、貧困に追い詰められた親が虐待や育児放棄に至るケースも多々あります。

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日本の子どもの貧困問題

日本の子どもの7人に1人が貧困

産前の栄養が乏しいと、産れてきた子どもはインシュリンの分泌が弱くなり糖尿病のリスクが高くなる、という研究結果や幼少期の栄養が不足すると50年後に認知症になるリスクが高くなる、等、海外では様々な研究結果が出ています。日本では他の先進国よりも対策が遅れ、高い水準で子どもの貧困が推移しています。

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ひとり親家庭の半数が貧困

子どもの貧困問題はここ数年で改善されてきています。しかし、以前厳しい状況にあるのが、ひとり親家庭の子どもたちです。ひとり親家庭の貧困率は48.3%と、先進国の中でも最悪な水準だと言われています。

日本特有の母子家庭における貧困状況の特徴が「無職者の貧困家庭よりも有業者の貧困家庭の方が比率が高い」という事があります。これは日本では子育てと就労の両立が難しい社会環境にあり子どもを育てながら就けるのはパートや臨時雇用である事が影響されていると言われています。

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子どもの貧困が社会に与える損失

⼦どもの貧困問題は、当事者である⼦どもたちだけでなく、社会全体に⼤きな損失を与えます。⽇本財団の調査によると、貧困状態で育った⼦どもたちが納税者にならない、社会保障を受ける側になることで、国の損失は約40兆円以上になると⾔われています。これはその⼦たちの責任ではありません。私たち⼤⼈、みんなの責任なのです。

⼦どもの貧困は、決して他⼈事ではありません。

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子どもの貧困が連鎖する前に

子どもの貧困の問題は、それが連鎖しやすいということです。

虐待や貧困で施設に入所した子どもたちは、その多くが愛着の形成が不十分であったり、何らかの障がいを先天的または虐待などにより持っている事が多く、学習に意欲が持てず遅れが出る事が多く見られ勉強の遅れから自分に自信が持てなくなり、進学を諦めてしまう子たちも多いのです。

施設の退所者のうち、中学卒が23.4%・高校卒が58.3%・四年制大学の卒業者はたったの4%。施設を出て就職しても、正規の雇用につくのは難しく、貧困は次の世代にもつながっていくのです。

そして、それは多くの施設職員の心配事でもあり、どの施設でも必死に子どもに関わっていますが、なかなか進学に繋がらず長期的に就労していけないのが現状です。

日本こども支援協会が行う貧困への3つのアプローチ

貧困の連鎖を断ち切るためには、暴力や貧困の影響を受けたこどもの心のケアを行う里親が必要です。里親制度が貧困・虐待の防止につながります。私たちは3つのアプローチで、里親制度の拡充を進めています。

  • ひろげる

    家庭養育を必要とするこどもが全国にたくさんいるということを啓発していきます。

  • ささえる

    里親が里親として安心して養育に専念できる環境を整え、里親を支援していきます。

  • つなげる

    里親の支援をおこなう研究者や医療・福祉の専門家との連携を生み出していきます。

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