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子どもの貧困

虐待・貧困・家庭環境の複合要因で
親と離れてくらす子どもたち

最新データで見る子どもの貧困率11.5%の実態

厚生労働省によれば、日本の子どもの貧困率は11.5%。依然として深刻な状況が続いています。特にひとり親家庭の貧困率は48.1%と、先進国の中でも最悪な水準だと言われています。

2020年に施設に入所した子どもたちの9.2%が、親の就労・経済的理由、つまり貧困により施設に入らざるを得なかったのです。最も多かった入所理由は親の虐待(45.2%)ですが、貧困に追い詰められた親が虐待や育児放棄に至るケースも多々あります。

このように、子どもたちが親と離れてくらす背景には、複合的な困難が存在しているのです。

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日本の子どもの貧困問題

日本の子どもの9人に1人が貧困状態

厚生労働省データ(2021年)によると、日本の子どもの11.5%、約9人に1人が貧困状態です。ひとり親家庭では2人に1人と更に深刻です。

貧困は子どもの健康に深刻な影響を与えます。産前の栄養不足は胎児の糖尿病リスクを高め、幼少期の栄養不足は将来の認知症リスク増加につながる研究結果があります。適切な医療アクセスの制限や慢性的なストレスも、子どもの身体的・精神的発達に長期的な悪影響を及ぼします。

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ひとり親家庭の4割以上が貧困状態

子どもの貧困問題はここ数年で改善されてきています。しかし、依然厳しい状況にあるのが、ひとり親家庭の子どもたちです。ひとり親家庭の貧困率は44.5%と、先進国の中でも最悪な状態が続いています。

母子家庭における貧困状況には「無職者の貧困家庭よりも有業者の貧困家庭の方が比率が高い」という日本特有の特徴があります。8割以上が就労しているにも関わらず、子育てと就労の両立が困難な社会環境により、パートや臨時雇用などの非正規雇用に就かざるを得ないことが影響しています。

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子どもの貧困が社会に与える損失

子どもの貧困問題は、当事者である子どもたちだけでなく、社会全体に大きな損失を与えます。調査によると、貧困状態で育った子ども約260万人の生涯所得の損失は42.9兆円。

財政収入の損失は15.9兆円に達すると推計されています。

これはその子たちの責任ではありません。私たち大人、みんなの責任なのです。子どもの貧困は、決して他人事ではありません。

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子どもの貧困が連鎖する前に

子どもの貧困の問題は、それが連鎖しやすいということです。

施設の退所者のうち、中学卒が23.4%・高校卒が58.3%・四年制大学の卒業者はたったの4%。ブリッジフォースマイルの調査によると、高校卒業直後に正社員就労をしても、そのうち37.6%が1年3か月後に離職しています。また、精神科・心療内科通院率が24.2%と一般若者の3.1%を大幅に上回っています。
退所8年後には44.9%の現況把握が困難となり、貧困の連鎖が継続している実態が明らかになりました。

日本こども支援協会が行う貧困への3つのアプローチ

貧困の連鎖を断ち切るためには、暴力や貧困の影響を受けた子どもの心のケアを行う里親が必要です。里親制度が貧困・虐待の防止につながります。私たちは3つのアプローチで、里親制度の拡充を進めています。

  • ひろげる

    家庭養育を必要とする子どもが全国にたくさんいるということを啓発していきます。

  • ささえる

    里親が里親として安心して養育に専念できる環境を整え、里親を支援していきます。

  • つなげる

    里親の支援をおこなう研究者や医療・福祉の専門家との連携を生み出していきます。

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