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対談シリーズ

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他の人と一緒じゃなくていい

他の人と一緒じゃなくていい

一般財団法人レオ財団 理事長

橘 俊夫

岩朝 レオ財団を作られた目的を教えていただけますか。

 父親が創設した会社に入社して35年、社長を継いで20年ほどになるのですが、60歳を過ぎた頃にこれから5年、10年と経営者としてどうしていきたいかを考えました。2代目として会社が永続していくことはもちろん大切ですが、自分の会社だけが良くなっても意味がない、世の中が良くならないと本当の幸せは掴めないと思いました。私は世の中で一番大事なのは子どもの教育だと考えています。未来を創っていくのは子どもたちだからです。今の日本の教育機関を握っているのは文部科学省すなわち政治ですよね。だから政治を変えていかないと教育は良くならないと考え、政治・教育・社会事業の分野で一生懸命頑張っている方、団体を支援しようと思い、レオ財団を立ち上げました。

岩朝 行政やNPOなどが支援を与え続けることは根本的な解決にはならないですよね。私も橘会長がおっしゃるように虐待の負の連鎖を断ち切るためには教育こそが必要なのだと思っています。
レオ財団が日本こども支援協会を選び支援してくださっている理由は何ですか?

 一億円の利益を生むことと、活きたお金の使い方と、どちらが難しいか、私は活きたお金の使い方の方が難しいと考えます。高級なものにパーンと使うことは簡単だけど、世の中のためにどこに幾らどう使われるか、どの団体にどう支援するかを見極めることは本当に難しいです。そんな中で岩朝さんと出会いました。最初は面白いおばちゃんやなと思いました(笑)。

岩朝 面白かったですか(笑)?

 色んな方にお会いしますが、信念を持って何かにのめり込む人は優れた部分もあるけど、不完全でバランスが悪い人が多いです。しかしその人たちは、魅力的です。そういうのめり込む人がいるから、新しいことを始める突破口になるし、抜けているところはデキる人が補えばいいのですよ。人って色々いるから面白いのです。

岩朝 ありがとうございます、勇気をもらいました(笑)。バランスが悪くて良かったです(笑)。おかげさまでたくさんの方に支えられて活動させていただいています。
橘会長が考える“良い教育”とは何ですか?

 多くの親が“良い子”と言ってる子とは、“言われたことを理解するとか覚えておく子”です。しかし世の中でそれらが役に立つのはほんの一部で、本当に大事なことは、“自分で考え、世に中で自分がどう役に立つか”です。自分はどうなりたいか、どんな人になりたいかと自分に問う、子どもたちには自問自答して自分で答えを出す力をつけて欲しいです。教育のゴールは“自立”であり、子どもたちが自分で考え、自分がなりたい自分になっていけることが大切です。そして、良いこと悪いこと、道徳観を教えることも大切です。親ができないから子どもにも教えられない、そして子どもも良いこと悪いことの分別がつかない。そういった負の連鎖が続くから、日本こども支援協会のような団体が必要になりますよね。

岩朝 おっしゃる通りです。私たちのような団体が一日でも早くなくなるように活動しています。
ここまで世の中のために活動されている橘会長はどんな子どもだったのですか?

 中学の時に勉強ができるクラスメイトがいたので「自分はその子とかぶる必要はないな」と思い、勉強せずに人ばかり見てました。人にはそれぞれ能力があり、自分ができなくてもだれかができたら良いと思っていました。各分野で優秀な人がいるのだから、その人たちを束ねるためにはどこで学べばいいだろうと考えていました。その考えが今、活かされていると思います。

岩朝 “自分は他の人とかぶらなくて良い”と中学生の時から思っていたのですね。それが現在でも活かされ、多くの方の支援に繋がっているのですね。
橘会長は里親制度をどうお考えですか?

 血の繋がった我が子の教育でもうまくいかないこともあり、たくさんの葛藤がある中、血の繋がりのない子を我が子として迎え入れ、たくさんの葛藤をクリアしてでも里親をされてる人に敬意を示します。そこまでの思いは本当に素晴らしいです。

岩朝 ありがとうございます。私も里親をしていますが、子どもからたくさんの幸せをもらっています。

 だれかのためにするではなく、“自分がそれをすることで幸せになれることをする”、そうでなければ続かないし、それは信念ではないです。私は支援することで幸せをいただいていますが、岩朝さんがおっしゃる通り、一日でも早く支援する必要のない社会になって欲しいです。

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